突然やってきた悲しみ。
先日、お世話になった方が亡くなられていたことを知りました。
以前にお世話になった職場の方に、食事会の席を設けていただきました。本当に久しぶりにお会いした方もいて、楽しい時間でした。
会食も進み、過去にお仕事でご一緒させていただいた方のお名前をポツポツと挙げていく中で「実は・・・」と、亡くなられた旨を伝えていただきました。
驚きのあまり、言葉が出ませんでした。
昨夏頃から体調を崩されていたようで、先月、急逝されたとのことでした。亡くなる直前までお仕事もされていたようで、職場の方も皆さん、突然の訃報にとても驚かれていたとお聞きしました。
いつも応援してくださっていた方でした。
舞台も度々足を運んでくださり、私のつまらない身の上話にも耳を傾けてくださり・・・。頂いてばかりで何のお返しもできないまま、5年前に舞台を見に来てくださったときに交わした挨拶が、最後となってしまいました。
驚きを伴って訪れた悲しみって、瞳の奥でじわじわと、静かに広がっていくのだと思いました。瞳を通って心の奥深くに広がっている湖の中に、まるで宵闇の空が広がっていくかのように、深くて濃い紫色の想いが静かに広がっていきました。
メールの一本くらい、遠慮せずに送ればよかった。そう思いました。メールアドレスは暫くは消さずに残しておきます。私のアドレス帳の中では、せめてお元気でいてほしい。天寿を全うした、とは言えない若さで、あっという間に逝かれてしまいました。
自分の人生でさえ、あとどれだけ時間が残されているのか分かりません。思っているよりずっと、短いかもしれません。だからこそ、誰にも遠慮せずにやりたいことをやり、精一杯咲ききって生きていこう、改めてそう思いました。自分の人生に集中して、後悔しない生き方を選択し続けたいと思います。周囲の雑音なんて、残された時間を考えたらうっとうしいコバエの羽音のようなものです。そんなことを気にしている間に、人生なんてあっという間に終わってしまうのだと思いました。
もう少し思い出を手の中に広げていたいのですが、残された人間は明日からも淡々と日々を生きていくしかないのですね。淡々と、真摯に、丁寧に積み重ねていきたいと思います。
Tさん、いつも心の支えとなってくださり、本当にありがとうございました。そして、闘病生活お疲れさまでした。安らかにお眠り・・・いえ、天国でも歌劇を楽しんでください。その合間を縫って私のお芝居も見ていただければ嬉しいです笑。