軒先に覗く命。

雨が続いて残暑の繰り返し。もう10月なのに、何だかソワソワと落ち着きません。長袖を出しては半袖にアイロンをかけて・・・空の高さは秋らしいですが、雲は夏のよう。

今朝、うみゃうみゃと高い音で猫の鳴き声がするので階下を覗いてみれば、小さな子猫の姿がありました。嗚呼、もしかしたらと思うと、まさかの再会に喜びでいっぱいになりました。

私の住んでいるところは「地域猫」のシステムに寛容な地域のようで、街中にも猫ちゃんが割と多め。
その中でも、自宅の近所をねぐらにしている三毛さんがいまして、今年のGW頃に子猫を3匹ほど産みました。その三毛さんも産まれたのは昨年のGW頃だったと思うので、猫のライフサイクルの早さを感じずにはいられない。

産まれたのは良いですが、何せ特定の家の子ではない地域猫。夜も朝も子猫の甲高い鳴き声が響く日がしばらく続きました。猫好きな私でも割とよく鳴くな・・・と思っていたので、猫嫌いな方にとっては耐え難い日々だったと思います。

そんな日がしばらく続いたある日、ぱたりと子猫の声がしなくなりました。

代わりに聞こえてくるようになったのは三毛さんが子供を探しているであろう声。聞いたこともないような寂しさと必死さが滲む鳴き声で、彼女も辛かったでしょうが、それを聞いているこちらも堪えました。近くに生まれた地域猫を保護しているボランティアさんがいらっしゃるので、そこに近所の人が持って行ったのでは・・・という結論に。

猫は子猫がいなくなっても、暫くしたら忘れてしまうと聞きましたが、ご多分に洩れず、三毛さんも一週間ほどたったころには、何事もなかったようにのんびりと暮らしていました。ただ、出産と授乳の影響か、以前より体毛に艶は見られず、体もかなり痩せてしまっていました。何より、人間に暫く近寄らなくなりました。

そして、長雨が続いて久々の晴れ間が見えた今朝、消えた子猫と思われる3匹の猫の姿が見えたのです。

大きさからして生後半年ほど。好奇心旺盛な子、臆病な子、マイペースな子の3匹。嗚呼間違いないだろうなと分かり、感動で暫くその子たちの様子を観察していました。お隣のお家の配管をおもちゃに遊ぶ子猫3匹。いつまでも見ていられます。

ここは地域猫たちにとってかなり恵まれた環境なのだろうと思いますが、それでも特定のお家で、大切な時期を過ごしていたことに喜びと感謝を感じずにはいられませんでした。特に今年の夏はあの暑さでしたしね・・・善意が重なって続いた命、少しでも長く、立派に育ってほしいと思います。

landlady
お芝居をしています。寄り道と道草ばかり。旅と自然と動物と音楽が生きる糧。