『リトル・ミス・サンシャイン』を観てきました。

『リトル・ミス・サンシャイン』を観てきました。

渋谷のシネクイントにて鑑賞。
「名作」と名高いこちらの作品、初めて鑑賞しました。そういえばシネクイントも初?

はちゃめちゃ・・・というか、どっすんバタバタというか。コメディの良作でした!

舞台はニューメキシコ州のアルバカーキ。
独自の成功法則に自信を持つ、地方の大学で教鞭をとっている父親(今でいうコーチングコーチ?アテにしていた出版契約が飛んでしまい金銭的に相当厳しい)、個性(と、性欲とヘロイン中毒)が強すぎて老人ホームを強制退去させられたおじいちゃん、テストパイロットになることを夢見て無口を貫く息子(母親と前の夫の間に生まれた子供)、ちょっとぽっちゃりで眼鏡が可愛いミスコン優勝を夢見る7歳の娘・・・そしてその家族のまとめ役の母親。そこに、母親の兄(プルースト学者でゲイ。大学をクビになったばかり?恋人にフラれて自殺未遂を図り保護観察中)がやってきます。一人娘がミスコンに出場することが決まって、スッタモンダの末、一家全員で長く果てしないバスの旅に出ることになるのですが・・・。

もぉ~笑いました。このじわじわこみ上げるような、小劇場のようなドタバタ感!最高です。

普通に見えてあちこちほころびがあるこの家族。自殺未遂を図ったゲイの伯父さんと、無口を貫くお兄ちゃんが一番まともに見えてしまうのが凄い。最初に伯父さんが車いすに乗せられて窓の外を見ていた時、大丈夫かなと心配したのですが、ある意味一番まともというか、常識人というか・・・。お兄ちゃんは理解ある大人と出逢えて幸せだったね。バスの旅の中で、色盲だということが分かり、職業パイロットへの道は閉ざされてしまいますが・・・小さい頃に分からなかったのかしら。そこだけ少し引っかかりました。

バスが途中で壊れて、一家全員でバスを押しながら出ないと出発できなくなったのも笑えたし、バスの旅の途中、おじいちゃんがヘロイン中毒で死んじゃうのも最高に笑いました。いや、旅の途中で亡くなったのは衝撃だし、治療を待つ病院のシーンで妙に泣かせる雰囲気を作ってちゃんと場を締めているのはいいんだけど、遺体をシーツでくるんでオーディション会場まで運ぶ下りとか、最後にオリーブ(美少女コンテストに出た娘)が披露したおじいちゃん仕込みのダンスとか・・・ちゃんとオチがあるってこういうこと!久々にスッキリ笑えて楽しめる作品でした。

結局、振り返ると家庭内に山積する問題は何一つ解決していないことに気が付くのですが笑、それでもとても温かな気持ちになれるラスト。いかにもアメリカらしい映像の見せ方も、この作品を盛り上げてくれる要因の一つだったと感じます。

この映画、公開は2006年。この2年後にリーマンショックがあり、さらに3年後に東日本大震災があり・・・「勝ち馬」「負け犬」がこの映画のキーワードでもありますが、今はその時に比べると、大分ステレオタイプ的な「勝ち馬」のパターンも薄くなっているというか、それぞれの幸せを求める生き方にシフトしていると思います。

でも「アメリカンドリーム」はきっと変わらずにあるのね。先行逃げ切りでも、最後に追い上げても、ゴールテープを切る時に自分が思い描く「勝ち馬」になれたらそれで良いのではないかな。サラブレッドじゃなくても、田舎の牧場でモッシャーモッシャーと草を食む幸せだってあるわけで・・・なんて考えながら夜の渋谷を後にするのでした。

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