『パブリック 図書館の奇跡』を観てきました。

TOHOシネマズ日本橋へ・・・劇場内のスクリーンでは「鬼滅の刃」の告知CMが延々と流れていました。凄い人気ですね。

今作は例の如く、フライヤーにひかれて鑑賞決定。図書館でのスッタモンダも面白そうだな・・・。

舞台はニューヨークの公共図書館。元ホームレスで現在は図書館職員の男性とホームレスたちの物語です。
冬のニューヨークはとても寒く、ホームレスたちも日中は図書館で暖を取りながら過ごす日々。シェルターは足りておらず、中には夜に凍死するホームレスまで・・・。

そんなある日、ホームレスの中でもリーダー格の男性が「1日だけでいいから図書館を開放してほしい(夜は寒すぎて凍え死んでしまうから)」と、仲間のホームレスを引き連れて夜の図書館を占拠してしまいます。何とかしようと色々な人たちがやって来るのですが、どさくさに紛れてあんな人やこんな人まで、この騒動を良いように利用しようとして、事態は想像を超えるトンデモストリーに・・・。

全体的に、とても丁寧に作られていて小劇場で出逢えて「よかったな」と思えるタイプの作品です。
ただ、奇跡らしい奇跡は起きません。特に大きなオチも感動のラストもなく「・・・え?これがラストなの??」と思わず突っ込んでしまいたくなるような作品です。人によってはかなり退屈かも。

主人公が今の心境を問われた際「怒りの葡萄」になぞらえた部分とか、とても好きでした。この作品の主張したい根っこはそこなんだろうな。

社会問題にも切り込んでいて、結構面白いな、と思ったのですが・・・。海外ドラマのように、この騒動を上手に利用してのし上がろうとする検察官やレポーターなど、良いスパイスでした^^警察側の交渉人や図書館の他のスタッフなど、人間関係は観ていてとても楽しかったです。

だからこそ、最後インパクト・・・までいかずとも、ちょっと笑えて明るいハッピーエンドになればいいな・・・なんて思って観ていたので、ラストは拍子抜け。路線としてはシリアス?まではいかなくても、笑えるようで実は・・・という感じの作品でした。ポスターの色調も明るくてポップだったので、笑える作品かと思っていたのですが、ポスターから抱いた印象とは少しズレていたかも^^;

ネタバレになりますが・・・最後、立てこもっていたホームレス&主人公の図書館職員&その上司が、なぜか全員裸で図書館から出てきて逮捕されますが、その中のお一人って、オフブロードウェイで以前上演されていた「naked boys」に出演されているお一人に見えたのですが、気のせい??「tonight♪」と始まる歌のフレーズが印象的なプロモーションビデオに、とてもお顔が似ている方がいらっしゃったような記憶が・・・。きっと見間違えね^^;

最後、劇場全体が「なぜ私たちは全裸の中年男性の尻を延々と観させられているんだ・・・」という独特の空気が流れたことは忘れません。全員の心の俳句に違いない笑。

ファッション雑誌などで「今おススメの映画」などに名前が挙がっていることがあるのですが、カップルで見るなら断然「カセットテープ・ダイアリーズ」をどうぞ。ラストがおじさんたちの疲れたお尻では終わった後の会話に困るかもしれません笑。

landlady
お芝居をしています。寄り道と道草ばかり。お時間がある時にふらっと覗きに来ていただければ嬉しいです。