「教皇選挙」を観てきました。

「教皇選挙」を観てきました。

ポスターを初めて見た時からとても楽しみにしていました。朝一で恵比寿ガーデンシネマへ。
公開初日の初回にしかない客席の雰囲気が好きです。コンセッションも大混雑!上映直前のどこか浮足立った空気も映画館に行く楽しみですよね。

映画はポスターの通り「教皇選挙(コンクラーベ)」を題材にした作品ですが、そこまで宗教色は強くなかったかな、という印象です。むしろ、選挙に伴う人間ドラマ色の方が濃く感じました。「政治や宗教がテーマの作品はちょっと…」という方でも、その類のジャンルがお好きな方はきっと楽しめる…はず。「宗教モノ」と言えばそうなのかもしれませんが、宗教を軸とした大いなる人間賛歌…というのは大げさ?

選挙を通じて次々と明らかになる候補者たちの不正、汚職、過去のスキャンダル…いいですね!次々に出てくる疑惑のオンパレード。もう推せる候補者がいない!笑。そして、それに板挟みされる人間たち。ある者は許しを請い、ある者は怒り狂い…人間同士のヒリヒリした駆け引きこそ、演技で楽しみたいもの。

階段の踊り場で密談を行うシーンも、自分の教皇名を考えているところの下りも、本当に良かったです。聖職者と言えど人間ですし、社会に生きているのですから、野心も欲もあってナンボのものだと思っています。自分の足を引っ張らない程度であれば、ですが…。

スクリーンに広がる「赤」の美しさも魅力的でした。石造りの教会だったり、選挙会場に誂えられた赤、赤、赤…。キリスト教で赤色はキリストが流した血や救済の意味を持つそうですが、視覚的にもドラマティックな印象を与えていたと思います。

何より、最後の最後にひっくり返されました。そう!この爽快感!これぞミステリーの醍醐味というか…こういう気持ちのいい作品、本当に久しぶりでした。同時に、自分の中にあった「思い込み」にも気がつかされました。「根本を疑うこと」の難しさを実感。あの展開はまさか誰も考えが及ばなかったのでは、とも思ったり…。ドラマなので上手く流れを作られていたと思いますが、そこはエンタメなのでね^^;

キャストも音楽も美術も素晴らしかったですが、やっぱり脚本が最高でした。きっとすぐにネット配信になるのでしょうけれど、もう一回は劇場で見たい。

landlady
お芝居をしています。寄り道と道草ばかり。お時間がある時にふらっと覗きに来ていただければ嬉しいです。