『幸せへのまわり道』を観てきました。

『幸せへのまわり道』を観てきました。

久々に池袋へ。鑑賞前に本屋さんへ立ち寄ったらいい時間になってしまい、慌てて劇場へ向かう。

ポスター一目惚れで鑑賞を決定した作品ですが、恐らく、個人的に「2020年に観てよかった映画ベスト3」に入るであろう作品でした。DVDもCDも欲しいと思う映画って、数年に1本しかないのですが・・・これは買ってしまいそう。

原題は「a beautiful day in the neighborhood」
こちらの作品、実話に基づいた作品とのこと。だから色々な描写というか設定が、妙にリアルなのか・・・トム・ハンクスが演じた「フレッド・ロジャーズ」アメリカで知らない人はいないというくらいの超有名人だとか。調べてみたら、亡くなる2年前まで、かなり長い間子ども番組の司会を務めていらっしゃったのですね。その番組を見て育った子供が親になり、またその子供が見て・・・という感じなのでしょうか。

記者として受賞するなど、輝かしいキャリアを持つ一人の男性が、全米で知らない人はいないご長寿子ども番組の司会者への取材を通して、家族との絆を見つめ直す・・・シンプルに言うと、こんなお話。無駄がなくていい笑!

最初から最後まで、とにかく優しさと温かさに溢れていて・・・温かい真綿にずっとくるまれている気持ちになれる、そんな作品でした。

オープニングのセットからも秀逸。作り手の愛情が伝わってきます。手の込んだミニチュア、優しげな老紳士、テキパキした郵便屋さん、きれいで歌が上手なお姉さん。そして、少し内気な虎や自信たっぷりの王様など、温かくて優しい夢の世界の住人達・・・。途中で主人公もウサギになったり笑。

トム・ハンクスに静かにカメラが寄るシーンがあるのですが、カメラマンさんの静かな緊張感とドキドキと興奮がカメラのガラス越しにこちらにまで伝わってきます。重ねた年齢とキャリアが画面越しに滲んでいて、とても素敵でした。

切り取りたいシーンはたくさんあるのですが、あえて一つ・・・。
クリス・クーパーが主役の父親(ジェリー)役で出演していますが、彼は物語の後半、病に伏し、死を迎えようとしています。
そこに訪れたロジャーズ(トム・ハンクス)。病床のジェリーとも気さくに言葉を交わすのですが、ベッドの前にもソファがあるのに、あえて、ベッドの淵に腰を掛けて、ジェリーと対話をするのです。そのしぐさが本当に温かくて胸をうたれました。あれを「演技」というのだろうな・・・。

死の淵にいるジェリーの耳元で「神様に祈ってくれ」と頼んだのも素敵でした。死期が迫る=一番神様の近くにいる人たちだから、と・・・。

子供向け番組ということで、あちこちで軽快な歌声も・・・音楽の世界観も映画「judy」を思い出させるような感じで、終始楽しかったです。特に、電車の中で子どもたちや周りの大人が一緒に歌うシーンが最高。下手なミュージカル映画なんかより、よほど胸に迫るものがあるし、心が温まり、泣けました。

評価サイトは両極端。「こんなつまらない映画は初めてみた」という声も・・・確かに、単純に話だけかいつまめば「家族間に横たわる確執を解決する」というシンプルなものなので、テーマもありきたりだし、ハートウォーミング系の作品が得意ではない人には微妙かも知れません。そしてあの、海外のテレビ(子ども)番組独特のノリとテンションが苦手な人も辛いと思います。

でもきっと、幼い頃に観て未だに心の支えとなっているような音楽やテレビ番組が、きっと1つや2つはあるはず。そんな胸を温めてくれる思い出と一緒に是非観て頂きたい映画です。派手なドンパチもないし大事件もない、大ヒットする作品ではないのかもしれないけれど、ずっと心の本棚に置いておきたい作品でした。そしてサントラをさっそく探す笑。

邦題の「幸せへのまわり道」過去に似たような邦題の映画があったので、若干紛らわしかったです。ハートフル系の似たようなジャンルだと思うのですが、考慮などはしないのでしょうか。素朴な疑問^^;

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