“ツン”と“ハイ”
さて、4月になり、新しく養成所やスクールなどでお芝居を学ばれる方も多いのではないでしょうか。
専門学校での学びは、もちろん、歌やダンス、お芝居といった「実技」も大事なのですが、同時に用語であったり、舞台に立つうえでどんな人たちと一緒に仕事をするのか、どういうタイミングでお金と人が動いていくのか・・・こういったことを学ぶことも、仕事をする上ではとても大切になると思います。
今日は、初めて学ばれる方に向けて、私が専門学校時代に遭遇した「困った」お話しを一つ・・・。
私も当時、初めて知る「業界用語」のようなものが山ほどありました。いや、未だに台本の表記など「・・・?」と思うものもありますが、都度勉強して自分の中に蓄積していくしかないのですよね。
そこで、私が専門学校に在籍していた時に出逢い、語源がさっぱり理解できなかった用語をご紹介します。
それは「ツン」です。
・・・何のこと?ですよね^^;
その用語に出逢ったのは専門学校の1年目の修了公演。衣装として高校生の制服を着用することになったのですが、その時に確か衣装を担当して下さる方から「ツンを持ってきて下さい」と言われたのです。
・・・つん・・・ツン?
・・・・・・・・・・・なんだそれ。
という空気でしたよ^^;
同じクラスのメンバーも、誰も分からず・・・。
結局、誰かが聞いてくれたのか、聞ける雰囲気じゃなかったので何となく空気で察したのか忘れましたが(それじゃあ学校の意味はない、というツッコミはありがたくキャッチ&リリース)、一分丈のスパッツ、ショートパンツのような「見せパン」と言われる類のものを指すらしいのだと、ようやく分かりました。
恐らく、舞台演劇全般で、というより、ダンサーさんの衣装の用語として主に使われているのかな、という印象です。本来の意味としては、ステージ上でお客様に見えても問題がない、むしろ見せるために着用する衣装としての下着、という意味合いではないかなと思います。
「恐らく」という前置きをしたのは、卒業後に幾つも舞台に出演しましたが、全くその用語を聞かなかったからです。衣装を準備する時にその話をしても「ツン・・・何ですかそれ?」という反応ばかり。言葉は生き物ですから、流行り廃りもありますよね。特定の組織の中でしか使われていない社内用語?だったのかもね^^;
同じように、
ベージュのダンス用ハイヒール:ベーハイ
ベージュのダンス用タイツ:ベータイ
・・・などなど、色々ありました。
ショーガールなど、華やかなダンスシーンでダンサーの方がお召しになるようなシルバーのハイヒールは「銀ハイ」なんて言うそうです。「ツンブラ」は衣装として使う「見せブラ」の事を指すのだとか・・・。時と場所を選んで使うことが賢い言葉選びかと存じますが、教養としてご参考までに^^