愚直に向き合う。
「役者さんは、どうやって台本を覚えるんですか?」
芝居をしている人なら、きっと一度や二度、こんな風に尋ねられたことがあると思います。
「台本を何度も見ます。読みます。」
・・・というのが正直なところではないでしょうか。というか、そうするしかありません。少なくとも、私は^^;
こんなことを思い出したのは、先日、ふと目に留まったSNSがきっかけです。
「英語の単語学習が苦痛です」という質問に対して、英語の先生が「あなたがお店を営んでいたとして、一ヶ月に一度しか来ないお客さんと、一ヶ月にほぼ毎日くるお客さん、どちらのお客さんの顔を名前を覚えると思いますか」と訪ねていらっしゃいました。「そんなの、ほぼ毎日くるお客さんに決まっています」と返した質問者の方に対して「ほら!そうでしょ?一度や二度で単語を完璧にしようと思わないこと。何度も愚直に、ボロボロになるまでとにかく単語帳を周回しなさい」と答えていらしたのを覚えています。
やりたいことをやるためには、まずやらなければいけないこと、に愚直に向き合い、取り組まなければいけません。
英語であれば、字幕なしで海外ドラマを見るとか、BBCやTEDを聞き取れるようになるには、まず単語を知って、聞いて、覚えないとスタートラインにすら立てませんよね。俳優にとっては台本を覚える、理解するという行為がそれに当たるのだと思います。
とある舞台稽古の時、演出の方が「演技に関することは、演出である私がアドバイスをしたり提案をしてより良いものにすることはできる。だけど、台本を覚えることだけは代わってあげられないから、役者は台本だけはきちんと覚えてきてほしい」と言われていたことを覚えています。そう、やるべきことをやって、土台をつくらないと、その次のステップには進めないんですよね。
なぜこんな話題にしたかと言えば、そろそろ新しい台本を覚えないといけないタイミングだからです。慣れることで多少時間を短くもできますが、大幅なショートカットはできないので・・・汗をかきながら愚直に取り組みたいと思います。