『ジュディ 虹の彼方に』を観てきました。

日比谷のTOHOシネマズに行ってきました。宝塚ビル側のスクリーンで見るのは初めてです。スクリーンが大きくてびっくり!

主演は「CHICAGO」のレネー・ゼルウィガー!彼女の人生の最晩年にスポットを当てたこの作品、亡くなる半年前に行われたロンドン公演の様子を、彼女の過去と重ねながら描いています。

個人的に一番感動したのは、ジュディの熱心なファンであるおじ様二人組の家に遊びに行ったところ!このお二人、実は同性愛カップルということで罪に問われ、従軍までさせられたという辛い過去があり・・・その時、彼らの心の支えになったのがジュディの音楽だったのかもしれません。何より、そのうちの一人の男性が引くピアノが素晴らしかった!それに合わせるジュディの歌声も・・・。彼女にももっと若い頃からこんな友人がいれば、きっともっと幸せなアーティストとしての人生があったのかもしれません。

ラストはいかにもミュージカルらしい終わり方でしたが(そしてまた、あのおじ様2人組が泣かせてくれるのだ・・・)、ファンのために自分の人生の大半を捧げ、やっぱり最後に自分を救ってくれたのは関係者でもどこぞのお偉いさんでもなく、ファンだったというね・・・。

ジュディのロンドン公演に際してマネージャー役を担うことになった女性との交流がもう少し描かれているのかな、と思ったので、そこは残念でした。逆にあの短い時間で、最後の夫となった男性との交流を良く描き切ったなと感心。

実際のジュディ・ガーランドは10代から薬物を利用し(大人たちに「ダイエットのため」などといわれて飲まされていたのでしょう)、薬物・アルコール中毒等に苦しみながら47歳という若さでこの世を去ります。

一度はトップとして大輪の花を開かせたアーティストの苦悩と孤独を体当たりで演じきったレネィの姿は本当に素晴らしかったです。子どもが大人になるタイミングを失って、そのまま大きくなってしまったような、わがままというか子供じみていて、でもどこかほおっておけなくて・・・。

私がこんな風になったのはあの(実の)母親のせいだ!と一度だけ元夫に怒りをぶつけるシーン、こんなに愛されたスターでさえ、問題の根っこは「お母さん」なのだな、と思いました。そして、予告編では子供が「ママとは暮らせない」と言っていたシーンがありましたが、本編ではなかったような。カットになったのでしょうか。

既にサントラも発売されているので、じっくりと聞きたいと思います。「over the rainbow」はもちろんですが、フェザーレディーを引き連れて歌った「the trolley song 」もお気に入りです。明るくて春めいていて、いかにもアイドルソングの王道!という感じのポップな曲調が楽しい。

landlady
お芝居をしています。寄り道と道草ばかり。お時間がある時にふらっと覗きに来ていただければ嬉しいです。