『グッド・ワイフ』を観てきました。
恵比寿ガーデンシネマへ。CMで観た80年代のゴージャスな雰囲気にひかれて鑑賞。
舞台は1980年代前半のメキシコ。銀行家の夫と3人の子どもをもつ超セレブリティの妻・ソフィアが主役。
セレブ界の奥様コミュニティの中でもトップ・オブ・トップの座をキープしている彼女ですが、そのコミュニティに垢抜けない新参者が入ってくるところから、少しずつ物語は動いていきます。そしてメキシコに経済危機が襲い掛かり、彼女の立場にも少しずつ影が・・・というストーリー。
この作品、今の日本の行く末を見ているようでした。多くの人に見て欲しい作品の一つです。
経済危機をきっかけに少しずつ今までの生活が崩壊していくソフィアやその夫、奥様方との間に生まれる距離感、台頭する新参者・・・。経済危機をきっかけに変化していく世界の様相を「セレブ」という分かりやすいアイコンで表現していましたが、世界的に見れば、日本人だって随分「リッチな富裕層」の筈です。そう遠くない未来に・・・いや、今まさに現在進行形で?起こるであろう悲喜こもごもをまざまざと見せつけられた印象です。
そして、ゴージャスな誕生日会の様子や美しいアイボリーのドレス、百貨店、ネイルにエステに化粧品、テニスウェア・・・目の保養になりました。崩壊していく世界がより残酷に引き立っていたように感じます。
『ブルー・ジャスミン』もそうでしたが、セレブの転落劇って、救いようがないラストが多いですよね。コメディというか、ギャグのような笑えるオチがついている作品ってあまり見たことがありません。だからこそ美しくていいのだろうか。
ソフィアは最後、夫と新参者夫妻と一緒に食事をしていたレストランを訪れた大統領を、遠巻きに犬の泣き真似でコキおろしますよね。あれを「下品」「犬の遠吠え」と揶揄する人もいるのかもしれませんが・・・実際に行動に移すかは別として、女はあのくらい強くないとね^^;!旦那さんがいかにも「2世育ち」という感じなので、彼女の強さがより頼もしく、哀しく・・・。