『博士と狂人』を観てきました。

『博士と狂人』を観てきました。

感想が追い付いていない作品が増えてきてしまった・・・こちらは有楽町で鑑賞。

ポスターとタイトル、そして内容からして割とストライクな内容だったので迷わず観てきました。

メル・ギブソン演じる学歴はないが博識な知識人と、ショーン・ペン演じるPTSDの影響で罪のない人を殺してしまった元軍医の二人が出逢い、辞書編纂のために力を合わせる中で交流を深めるストーリーです。

前半、全くかかわりのなさそうな二人がどう交わるのかがとても見モノでしたが・・・なるほど、そう繋がって来るのか!ととても面白く、後半は胸が痛むシーンも多く・・・最後はそれぞれの結末が用意されていて、一応ハッピーエンドという結末になるのかしら?終わらない仕事の一篇(しかも最初)を映画化して「俺たちの冒険はまだまだ続く!」みたいな感じの終わり方だったので、何とも言えない気持ちに。

個人的にはショーン・ペンの怪演が圧倒的でした。特に後半、精神病治療の名の元、とんでもない治療?もとい虐待をされ、強硬症というか、完全に心ここにあらずな病人と化してしまった軍医の演技が素晴らしかったです。あの天を仰ぎ見つめる表情が何とも・・・照明もとても良かったんですよね。何だか、神の救いを求める信徒のようにも見えました。

そして、もう一人の主演は元軍医が収監される精神病院の警備兵ですよね。大きく主演を張るタイプの俳優さんではないのかもしれませんが、この人がいなければ二人が出会うこともなかったわけで・・・とても良い俳優さんだなと感じました。

元軍医に夫を殺された女性が彼と恋仲になる下りは、好みが分かれるかもしれません。交流を重ねるうちに相手の事を知り、恋に落ちる・・・女性に「本を読んでくれ」と頼んだところ、走り去ってしまう彼女に駆け寄り「文字が読めないのか」と察する元軍医の下り、とても好きでした。そして、自分から文字を学んで子どもたちに教えてほしい(学を身につけて豊かな生活を送れるようになるために)というところも・・・。別れのシーンは寂しかったけれど、無理やりハッピーエンドになるより現実的な結末だったように思えます。

都内では公開している劇場も限られていますが、とてもいい作品だったと思いますので、お時間が許す方は是非・・・そして先日「天井桟敷の人々」観てきましたよ!公開初日に・・・こちらの感想はまた別の機会に。見応えがありました。何せ3時間越え^^;!

landlady
お芝居をしています。寄り道と道草ばかり。お時間がある時にふらっと覗きに来ていただければ嬉しいです。