『声優夫婦の甘くない生活』を観てきました。

2021年最後の映画鑑賞はコチラ・・・。原題は「Golden voices」です。

舞台は1990年のイスラエル。台詞に「サダム・フセインの化学兵器だ!」とかが出てくる時代。
ソ連からイスラエルへ移民した声優を生業とする夫婦二人の新天地での第一歩を描いた作品です。

今までの仕事のキャリアが捨てられず、違法と知っていても何とかして声優という仕事を続ける道を模索する夫・ヴィクトルと、今までの仕事に区切りをつけ、新しい仕事(それでも声を使った仕事なので、完全に違うとは言えないかもしれないが)に取り組む妻・ラヤ。上手くいきかけたようで上手くいかない二人の生活、妻の新しい仕事を夫が知ってしまったことで、二人の関係は少しずつ変わり始め・・・。

戦争に巻き込まれ、命からがら逃げてきた老齢夫婦の新天地でのドタバタ物語。60代まで続けた仕事を捨てて全く新しいキャリアを築くって、いくら戦争という時代だからと言え、簡単な事ではないと思います。ましてやその仕事でそれなりの地位や肩書があったとしたら・・・。「声優」というキャッチーな職業を取り上げてはいるけれど、どこか普遍的な物語でもあるように感じました。空襲警報が聞こえてきて、政府から支給された簡易ガスマスクをかぶって隅にうずくまっている人々を見ると、今の私たちと重なっているような気がしてなりません。どんなに大変な情勢でも、人間には娯楽が必要なんだよな・・・。ヴィクトルの「映画は豊かな世界への入り口だ」という台詞が印象的でした。吹き替え声優として生きてきた彼の誇らしさが感じられる言葉だったと思います。

ところどころ冗長に感じた箇所もありましたが、脚本自体はとてもよく出来ていたと思います。特に後半の展開がテンポよく楽しめました。個人的には、ラヤの客である男性の役者さんの演技がとても好きでした。良い役者さんだったな。

今年はトータルで60本くらいは観ることができました。たくさんの良作に出逢えたことに感謝しています。

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