『SHE SAID』を観てきました。

日曜朝一で日比谷のTOHOシネマへ。思いの外混み合っていました。

数年前にも似たような告発ものの映画がありましたが(確か2020年に日本公開された映画『スキャンダル』・・・FOXニュースだったか?)、ここ数年の流行りなのでしょうか?こちらは映画業界に横たわっているパワハラとセクハラを題材にした作品。「#MeToo運動」が世界へ広がるきっかけとなった、ニューヨーク・タイムズ紙による2017年の性暴力報道を描いています。当時の事をサラッと知識として入れておいた方が、より楽しめると思います。

1990年代のセクハラ(というより性犯罪に近い内容なのでは?)事件を解決するべく動くニューヨーク・タイムズ紙の記者たち。問題の核となる人物は・・・まぁ、どこの組織にもいそうな力と性の権化みたいな人間^^;対峙した人を一瞬で精神崩壊させられるようなパワーとメンタリティの持ち主。もう、躾けられない動物は大人しく檻の中に入れて囲っておくのが一番だよね、本当に・・・。

取材の核となる女性3人の記者はもちろん、その彼女たちを支える上司たちもとても魅力的だったんですよね。特にロマンスグレーの女性の先輩記者!パトリシア・クラークソンかな?オフィスファッションなんて本当にお手本にしたいくらい素敵。首周りのネックレスのアレンジも・・・。メインとなる女性3人が皆小さな子供の育児をしていて、良くも悪くも「ぎりぎり仕事場にも着ていけるけど、動きやすくて汚れてもいい恰好」だからこそ、力の抜けた、でも洗練されているオフィスファッションはとても目を引きます。こういう思いもよらない出逢いがあると嬉しいんですよね。

エンドロールで静かに涙が流れて止まらなかった作品も久しぶりです。タイトルの「SHE SAID」の意味も最後に伏線回収がされてよかったです。沢山の人の執念の積み重ねで、ようやく小さな真実が一つ、日の目に出るのだということを淡々と語って見せてくれる作品だと思います。そしてその人たちにも当然のように「家庭」があるのだという事も・・・。小さな見どころも多いのですが、時間の関係で割愛^^;お時間がある方は是非劇場へ。

landlady
お芝居をしています。寄り道と道草ばかり。お時間がある時にふらっと覗きに来ていただければ嬉しいです。