『ベネデッタ』を観てきました。

『ベネデッタ』を観てきました。

木曜日の朝一で新宿武蔵野館へ・・・大分久々の訪問となりました。

こちらの映画は劇場で見かけたポスターに一目ぼれして鑑賞を決意。監督は「氷の微笑」「ロボコップ」などでおなじみのポール・ヴァーホーヴェン。御年85歳というのだからすごい!配給は先日鑑賞した「ヒトラーのための虐殺会議」と同じくクロック・ワークスです。

あれほど淫靡で保守的で背徳な要素を詰め込んだ映画なのに、なんでしょう、この映画館を出た時に感じる妙な清々しさというか、清涼感は・・・。大きな美術展に行って会場を出てくるときのような感覚。そう、あんなトンデモ要素がてんこもりなのに、まるで一枚の大きくて美しい絵画を見た時のような感動と、気持ちよさがありました。早起きして観に行った甲斐がありました。

舞台は17世紀のイタリア。幼いころから神のお告げを聴くことができたとされる6歳の少女・ベネデッタが故郷からペシアの修道院に入るところから物語は始まります。保守的で伝統的な環境で過ごす中「神の花嫁」となり、修道院長の座に就き、当時の女性としては異例の「権力」を手にするが・・・というのが大まかすぎるあらすじ。

こちらの作品、R18指定になっていますが、期待しているほど(?)ではないと思います。そこまであからさまなバイオレンスシーンもありませんが、取りあえず、カップルが日曜の昼下がりにのんびり楽しむ作品ではないことだけお伝えしたいと思います笑。だってヴァーホーヴェンだもん・・・。

伝統と保守的な姿勢が重んじられる宗教、更にその奥にある修道院という環境の中で、ベネデッタという女性の狂言なのか御神託なのかよくわからない言葉や現象にひたすら振り回される人、信じる人、信じようとする人、これを利用しようとする人・・・神様にお仕えする人々の世界もなかなかに俗物的?小道具の使い方や伏線の回収など、あらゆるところで含み笑いが止まらない、そんな映画でした。嗚呼良い映画だった!

landlady
お芝居をしています。寄り道と道草ばかり。お時間がある時にふらっと覗きに来ていただければ嬉しいです。