『ミセス・ハリス、パリに行く』を観てきました。

ポスターを見てから行こうか行くまいか大分迷いましたが、行って大正解!の映画でした。
祝日の朝一で品川へ・・・。驚くほど混んでいました。ちびっこも多く朝から圧倒される・・・。

舞台は1950年代のイギリス。夫を戦争で失い、家政婦として慎ましく生計を立てて暮らすエディ(ミセス・ハリス)。ある日、雇い主の自宅で見たこともないような美しいドレスを目にします。それがクリスチャン・ディオールのドレスだと知ったエディは、日々の仕事でコツコツとお金を貯めて、ようやく憧れの地・パリでディオールのメゾンに足を踏み入れます。ですが、華やかな世界の裏側は自分と同じような労働者階級の人間によって支えられていることを知り・・・。

ヨーロッパの階級社会というか、圧倒的な「格差」みたいなものが如実に出ていて、そうそう、ハイブランドって本来はこういう立場の人たちのためにあるもののはずですよね・・・とふと思い出させてくれたり・・・。

会計係(今でいう財務のようなものでしょうか)の男性が「(ミセス・ハリスは)現金払いだったから」と彼女の仕立てを優先するようにフォローするシーンがありますが、会計係としてはニコニコにっこり現金払い!がありがたいのは当然ですよね。富裕層はスマートに小切手払いなのでしょうが、事業が傾いたりなんなりで踏み倒されるかもしれませんし、お金が入るまでの間も従業員の給与も生地代も支払いは待ってくれませんからね。この作品の中で印象に残る台詞です。

大きくなりすぎた「おとぎ話」の組織で精一杯生きるスタッフの様子に感動しました。真っ白の静謐な世界で、淡々と女性の夢が形にされている過程はとても美しく、ひたむきで・・・。実際の物づくりの現場は戦場でしょうけれど笑、映画はエンタメですからね。美しいモノづくりの現場の見せ方がとても素敵でした。

そして、登場人物が全員魅力的!ナイスキャストだったと思います。ミセス・ハリスのチャーミングで優しいだけじゃない、中年女性の持つ独特の圧の強さと厚かましさとエネルギーがなかったらこの物語はきっと進まないでしょう笑。ミセス・ハリスの友人、パリの駅で出会う浮浪者(恐らく解雇されたであろう労働者)、ディオールの看板モデル、長年ディオールの看板を守ってきた支配人を務める女性、会計係の男性、お針子さん達、ディオール、そしてミセス・ハリスを気に掛ける侯爵・・・。無駄なキャストが一人もいない、素晴らしい脚本!優しさが循環する、最後の最後でほっこりできて笑える映画でした。

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